コラム

「20の質問」ゲームの歴史

公開日:2026/10/10

ナゾミエのように、「はい」「いいえ」で答えられる質問だけで正体を当てる遊びは、英語では「Twenty Questions(20の質問)」と呼ばれます。ここでは、この遊びがどのように広がってきたのかを紹介します。

家の中で遊ぶゲームとして

20の質問は、もともと家族や友人が集まって楽しむ、道具のいらない遊びでした。1780年代にはすでに広く遊ばれていたことが、当時の手紙からうかがえるとされます。

19世紀の有名な例が、イギリスの作家チャールズ・ディケンズが1843年に出した小説『クリスマス・キャロル』です。主人公スクルージのおいの家で開かれたパーティーの場面に、「イエス・アンド・ノー」という遊びが出てきます。おいが何かを思い浮かべ、ほかの人たちが質問をして当てます。おいは「はい」か「いいえ」でしか答えません。

このときおいが思い浮かべたのは、ロンドンに住んでいて通りを歩き回る、あまり感じのよくない生き物でした。正体は、なんとおじのスクルージ本人でした。小説の中でも、この遊びが楽しいひとときとして描かれています。

「動物・植物・鉱物」から始める遊び方

20の質問には、最初に「動物か、植物か、鉱物か」を知らせてから始める遊び方があります。英語では「Animal, Vegetable, or Mineral」と呼ばれ、この形もよく知られています。最初に大きな分類が分かるので、そこから質問を重ねていきます。ナゾミエで最初にカテゴリを選ぶのと、よく似た仕組みです。

ラジオとテレビの人気番組に

20世紀に入ると、この遊びは放送の世界に広がりました。

アメリカでは、1946年2月2日に、ラジオ番組「Twenty Questions」の放送が始まりました。考えたのは、ニューヨークのラジオ局で働いていたフレッド・ヴァン・デヴェンターです。回答者として、本人に加えて妻と10代の息子も出演していました。聞き手が送ってきたお題を、回答者が20問以内で当てるという内容でした。

この番組は1949年からテレビでも放送され、いくつかの放送局を移りながら1955年まで続きました。

イギリスでも、1947年2月にBBCのラジオ版「Twenty Questions」が始まりました。こちらは1976年まで続く長寿番組になりました。ほかにも、カナダやノルウェーなど、さまざまな国で同じような番組が作られたとされます。

考える機械「20Q」

コンピューターが身近になると、今度は機械が質問する側に回ります。

カナダのロビン・バージナーは、1988年に「20Q」というプログラムを作り始めました。はじめはフロッピーディスクに入れて友人に配り、遊んでもらいながら少しずつ覚えさせていったそうです。最初に知っていたものは、ネコ1つだけだったといいます。

20Qは1995年ごろからWebサイトで遊べるようになり、多くの人が遊ぶほど賢くなりました。2003年には、手のひらにのる電子おもちゃとしても発売されています。答えには「はい」「いいえ」のほか、「わからない」や「ときどき」も選べました。20問で当たらないときは、さらに数問を追加して当てにいきます。

Webで人気のアキネーター

2007年には、フランスの会社エロカンス(Elokence)が作った「アキネーター」が公開されたとされます。魔人(ジーニー)のキャラクターが質問を重ね、プレイヤーが思い浮かべた人物やキャラクター、動物などを当てます。答えは「はい」「いいえ」「わからない」「たぶんそう」「たぶん違う」から選びます。遊んだ人の答えから、よい質問を学んでいく仕組みだとされています。

立場を入れかえたナゾミエ

20Qやアキネーターでは、人が答えを思い浮かべ、機械が当てます。ナゾミエはその逆です。AIがお題を選び、人が質問をして当てます。ディケンズの小説に描かれたパーティーの遊びに近い形を、AIを相手に1人で楽しめるようにしたのがナゾミエです。

200年以上前から遊ばれてきたのは、ルールが簡単なのに、考えるほど上達できるからでしょう。どんな質問なら候補が早く減るのか、ぜひ自分でも試してみてください。

参考にした資料

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